日本史演習(皆川ゼミ)からのメッセージ
2017/02/17
日本文化学科では、3年生になるとゼミを履修し、専門分野の学びを深めていきます。日本史ゼミでは、原本史料を読解したり、各自のテーマに関する発表などを行います。時には、史料に登場した史跡等を訪ねることもあります。今回は、日本史ゼミの4年生に、ゼミの学びについて紹介してもらいます。
「学問する楽しさを実感した、ゼミでの2年間」 笠間 悠花
- 私は、3年生の時、日本史の皆川ゼミを選びました。皆川ゼミでは、崩し字で書かれた通行手形や縁組などの古文書を読解することからはじまりました。私が最初に担当したのは、享保6年(1721)に江戸から上野国館林へ鉄砲を搬送するための「鉄砲通行手形」という史料でした。
崩し字を読むのも初めての経験であり、何時間もかかりながら崩し字の一文字一文字を読解し、無事に発表することができました。今では、博物館で古文書が展示されていると、その場に立ち止り、古文書の崩し字を一字一句、興味深く読解するようになった私がいます。このように、史料を読むことの楽しさを教えてくれたのは、皆川ゼミでした。
古文書の内容を理解するためには、その古文書が作成された背景などを、探ることも重要です。ゼミでは、毎回、発表の後に先生や学生による意見交換を行いました。この意見交換で、時には日本史上の新しい発見をすることもありました。歴史を学問する楽しさを味わうことができたのも、皆川ゼミでの2年間です。
日本文化学科の4年間の中でも、皆川ゼミでの学びは、私に歴史を学問することの楽しさを教えてくれた大変貴重な思い出です。皆さんも、ゼミでの学びを通じて、学問する楽しさを実感してみて下さい。
「ゼミ遠足で、歴史の学びの楽しさを実感!」 酒井 晶
- 日本史の皆川ゼミでは、教室で江戸時代のさまざまな古文書や旅日記を読解するだけでなく、時には史料に登場した神社仏閣・史跡などを実際に訪ねるゼミ遠足も行いました。安政5年(1858)の庶民の旅日記を読んでいた時の意見交換で、旅日記に登場する江戸城やその界隈等を実際に訪ねてみようということになりました。
江戸城は、現在、皇居となっています。都内の中心地にある広大な敷地やその周辺には、数多くの江戸時代の史跡が残っています。ゼミ遠足では、まず大手町駅から近くにある平将門の首塚をお参りし、その後、大手門から皇居東御苑へと進みました。皇居東御苑は、もともと江戸城の本丸、二の丸、三の丸があった場所です。現在、天守閣跡までの途中には、百人番所などの江戸城を守護する役人の詰め所、忠臣蔵の舞台ともなった松の廊下、また第13代将軍徳川家定正室の篤姫が活躍した大奥の跡があります。大奥の跡地には、当時を偲ぶ建物はありませんが、江戸時代にさまざまな女性が将軍にお仕えしていたことなど、さまざまなことを思い浮かべました。最後に天守閣の跡に上ると、そこからの眺望は大手町界隈の高層ビル群がよく見えましたが、この地がそれらのビルの10階程度の高さにあることに気付きました。江戸城が、百万都市といわれた江戸の町の中心に高くそびえる城郭であったことも、実感することができました。
学校から近い都内にありながら、今まで映像や写真でしか見ていなかった江戸城でしたが、実際に訪れることにより、多くの学びを体験しました。ますます歴史を学ぶことの楽しさや、史跡などの現地を訪れることの大切さを実感しました。
私は、「おそれと憧れの視点に関する研究」というテーマで、卒業論文を無事に提出できたのも、ゼミでの幅広い学びがあったからこそと思っています。このように、縦横無尽に幅広い学びができるのも、大学での学びの醍醐味ではないでしょうか。