「学生のための乳の研究活動支援事業」平成29年度研究活動成果報告会において本学科の学生が優秀賞をいただきました
2018/01/29
2017年12月26日(火)に東京都中央区のTKPガーデンシティPREMIUN京橋において「学生のための乳の研究活動支援」平成29年度研究活動成果報告会が開催されました。この研究報告会は、一般社団法人Jミルクが主催するもので、「次世代における乳の学術研究の育成・発展を図ることを目的に、栄養学、教育学、マーケティング等に係る大学の研究室、ゼミ、学生研究団体等が、乳に関連する調査研究活動(食べ物としての「牛乳乳製品」およびそれを生産する産業としての「酪農」「乳業」に関する調査研究等)を行う場合について、その活動費の一部を助成するとともに、発表の場を提供し、優れた研究活動については表彰する」との趣旨で実施されたものです。
この研究報告会には、全国11の大学や大学院から13題の演題が寄せられ、①食育・栄養指導部門(4演題)、②マーケティング部門(5演題)、および③乳利用普及部門(4演題)の3つの部門別に発表が行われました。駒沢女子大学健康栄養学科からは、西村一弘先生の指導を受けている卒業研究生のグループが「乳利用普及部門」で口頭発表を行いました。発表時間は20分間、質疑応答時間は5分間と一般の学術会議と同等の形式で行われ、質疑応答では活発な議論が交わされました。在学生が卒業研究の内容を学外で発表する機会は乏しいため、今回のような学外での発表と議論の場は、本学科の学生にとって大いに刺激になったようです。
報告会の最後には、乳の学術連合会員による各発表内容の審査が行われ、西村研究室の演題が優秀賞に選ばれました。その研究内容を以下に紹介します。
乳和食の認知度調査及び周知活動報告
宇賀神双葉・加来皆美・栗原美穂・小西舞
(駒沢女子大学 人間健康学部 健康栄養学科 西村研究室)
本研究は、乳和食の認知度のエビデンスに着目した。乳和食には、無理なく、おいしく減塩ができ、カルシウムをしっかり摂ることができるという特徴がある。この乳和食に使用している牛乳には、食後血糖値の上昇を抑え、体脂肪の蓄積を抑制する効果があるため、肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防・改善につながると言われており、乳和食もまた、同様の効果があると考えられる。しかし現在乳和食の認知度や理解に関するエビデンスは乏しい。
アンケートの実施による認知度調査に加え、乳和食の利点を生かしたメニューを考案し提供することで、乳和食の周知を図ることとした。
結果的に乳和食の認知度は低く理解が広まっていないことが示唆された。そのため周知活動の意義があると考えられる。本研究における周知活動により一般の方の乳和食に関する認知度が向上することが期待できる。今後は専門分野だけではなく、一般の方への周知活動も行っていく必要があると考えられる。
受賞学生のコメント
- この度は、研究活動成果報告会で優秀賞をいただけたことに驚くとともに、大変光栄に思います。
今回私たちは乳和食の「認知度調査」と「周知」に重きを置いて研究を行ってきました。乳和食の認知度は、専門分野の方々の中では広がっていますが、一般の方々の認知度についてはエビデンスが乏しいのが現状です。乳和食の周知をどのような方法で行っていけば良いのか、その難しさに悩んだときもありました。
実際に企業と連携して、お弁当の副菜やデザートを開発したり、これを施設で提供したり、レシピコンテストにも参加するなど、学部学生ではなかなか得られないような貴重な経験をさせていただきました。また、この周知活動を通してたくさんの方々と関わることができ、伝えることの難しさやコミュニケーションの取り方についても学ぶことができました。この研究を通して経験し学んだ多くのことを、今後の管理栄養士業務に活かしていきたいと思います。
このような貴重な体験ができた上に報告会で賞が頂けたのも、西村先生をはじめ健康栄養学科の先生方や研究に協力して下さった皆さまのおかげだと、心から感謝しています。