保育実習指導Ⅲによる施設見学―東京都児童相談センター―

保育実習指導Ⅲを履修している学生とともに、東京都児童相談センターを見学訪問してきました。ここは地域の児童相談所と、各都道府県に一ヶ所の設置が義務づけられている中央児童相談所の2つの機能を併せ持った相談機関で、東京都子供家庭総合センターの中にあります。同じ建物の中に、東京都教育センター、警視庁新宿少年センターも併設され、相互に連携をとって効果的な支援を行っていることが特徴です。また、通年開所の部署でもあり、土日、祝日も含め、24時間365日体制で虐待などの相談を受け、緊急事態に備えています。
まず職員の方から児童相談所の役割について説明を受けました。
児童相談所は、児童福祉法に規定されて設置されている、18歳未満の子どもに関する専門の相談機関です。子ども本人はもとより、その家族や親族、学校関係者などからの相談に応じています。都内にはほかに11か所の児童相談所があります。
相談内容は養護(虐待や保護者の病気、離婚などで子どもがその家庭で生活できない状況になるなど)や育成(いじめや不登校など)、障害(知的発達の遅れや肢体不自由、ことばの遅れなど)や非行など多岐に渡り、職員のひとたちがさまざまな相談に対応しています。
直接施設を訪れる以外にも、電話による相談も行っており、子育てに悩む母親からのものが最も多く、全体の82.4%(平成27年度)を占めているそうです。親からの相談に対し、適切な助言や身近な地域の子ども家庭支援センターなどの子育て拠点を紹介してつなげていくことで、問題が重大化する前に支援するようにしているという話も聞きました。
また、近年では、虐待についての認識が広まり通告が増えたことや、虐待を受けているきょうだいやDV(ドメスティック・バイオレンス;家庭内暴力)家庭の子どもなどの保護に対して積極的に取り組むようになったことが関係して、相談件数が増加しているという話も聞きました。
さらに、児童相談所の業務についてのVTRを視聴し、児童福祉司(ケースワーカー)や児童心理司などの面接場面や、一時保護所の様子なども見ることができ、より理解が深まりました。
学生たちは児童相談所の職員の説明を真剣に聴き、熱心にメモを取っていました。最後に、センター内の各部署や面接相談室、プレイルーム等を拝見させていただき、見学訪問を終了しました。

  • 児童相談センターの働きについて説明を受ける学生たち
    児童相談センターの働きについて説明を受ける学生たち
  • 施設見学を通して充実した学びをすることができました
    施設見学を通して充実した学びをすることができました

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