006:コマジョリノベ第3弾「二人の暮らす部屋」実施案が決定しました!
2015/06/30
3年のインテリアデザインスタジオと建築デザインスタジオの合同で、産学連携課題コマジョリノベ2015「二人の暮らす部屋」を行いました。今回の課題は、2年前に行ったワンルームの提案からさらにスケールアップした2DKタイプで、異なる2つの物件を設計の対象としました。学生は両物件を見学してどちらかの物件を選び、新婚やシェアハウスなどの住人を想定して、2人の暮らしに相応しい空間をデザインしました。
5月下旬、大学に提携企業の株式会社東都の関係者7名をお迎えし、プレゼンテーション講評会が行われました。選抜された12名の学生が、映像と模型を使って提案作品を説明しました。協議の結果、2名の学生提案が実施案として選ばれました。2つの提案は、企業と数回の協議や調整を経て、9月頃に実現する予定です。完成をどうぞお楽しみに!
プレゼンテーション講評会の様子
物件Aは大学最寄駅の稲城駅近くに建つ、木造2階建てアパート2階の一室です。牧野さんの提案「何気ない日常を大切に過ごしたい人に」は、ダイニングキッチンと一間をつないでワンルームとしました。玄関を入った横にあるカウンターキッチンと居室間の壁に設けられたガラスブロックが特徴です。壁紙の色を面によって変えるなど、デザインの意図を明確に表しています。手書きパースによるプレゼンテーション全体の表現力も評価されました。
物件A選定 牧野 結さんのコメント
- このチャンスは必ずものにして自信を付けたいと思っていたので、選んでいただけたと知った時はとても嬉しかったです。自分のデザインした空間に実際に人が住むということは、どんな人にも使いやすいことが前提だと思います。けれども、日常を少しだけ非日常に感じる空間をつくることがデザインの醍醐味だと思っているので、『現実的な使いやすさ』と『非日常のデザイン』とのバランスを整えることに特に難しさを感じました。私にとってはひとつの課題ですが、住む人にとっては生活の一部となり、また思い出を作っていく場所でもあるので、細かい部分までこだわってデザインしました。気に入って頂けると嬉しいです。まだ夢みたいですが、学生のうちに自分のデザインが実物で出来上がることを経験できるのはとても貴重な経験だと思うので、今後の仕事や夢に生かしていきたいと思っています。完成した部屋だけでなく、施工の過程も実際に目で見たいと思っています。
物件Bは新百合ヶ丘駅へ徒歩圏内にある5階建てマンション4階の一間です。佐藤さんの提案「わくわくと、ゆったり ~アジアン家具で暮らす~」は、すべての部屋を扉のない一室でつなぐプランです。アイランド状のカウンターテーブルや天井までつながる造作家具などがゆるやかに室内を間仕切るとともに、それぞれのスペースに必要な収納や棚としての役割を果たしています。3Dモデリングを駆使したパースで空間全体を余すところなく表現しています。
物件B選定 佐藤 柚紀さんのコメント
- 私の提案が選ばれるとは思っていなかったため、驚いたと同時にとても嬉しく思いました。課題が出された当初はあまり実感がなく、こんな部屋があれば楽しそうだ、住みやすそうだ、と自分の住みたい家を考えていました。しかしエスキースを進めていくうちに、私自身ではなくこれから住む人のことを考えるようになり、今回の課題の重要さをようやく理解し、取り組む姿勢が変わりました。自分のできる最大限のことをしようと考え、神村先生をはじめ多くの先生方や準備室の中野さんにも助けていただき、自分が納得する提案をまとめることができました。タイトなスケジュールのなかで、学校に遅くまで残ったり、最終バスに乗り遅れそうになったりと大変でしたが、自分の満足する提案ができてよかったです。完成した部屋に住んでくれる人がいるのか不安ですが、企業の方々に選んでいただいたことを自信にして、これからの課題も頑張りたいです。
● 株式会社東都 神奈川支社 管理担当部長
木澤 公一 様のコメント
- 「コマジョリノベ」は2013年に産学連携プロジェクトとして始まり、今回第3段として弊社は2回目の参加となります。この度提出された12点の作品から実際に施工を行う作品の採用については社内にて選考会を実施して決定しておりますが、前回以上に学生の皆様から提案された作品はどれもクオリティが高く、採用作品の絞り込みは非常に難しいものとなりました。採用基準としては、賃貸物件での運用を軸として、独創的な造作物と採光を図る為の工夫、コンセプトに沿った家具や色合いなどを総合的に評価させていただき、建物のオーナー様のご意見も伺いながら最終的に2点を選定するに至っています。私どももこの様なオリジナリティ溢れる施工に携われることを光栄に感じておりますし、工事の仕上りを非常に楽しみにしております。