世界で見つけた驚き~異文化を楽しもう!~ 南北スーダン編 No. 2
2016/01/22
国際文化学科 杉野 知恵
こんなところでも空手が?!
2000年代前半、スーダン西部のダルフール地方では、政府軍とアラブ系の民兵が非アラブ系の住民を虐殺し、世界の注目を集めました。ダルフール紛争です。
そのダルフールの空手協会から、スーダンの日本大使館に対し、空手で使う日本語や数の数え方などを教えてほしいという依頼があり、当時大使館で広報文化を担当していた私が出かけることになりました。紛争で悪名高いダルフールで空手をやっている人々がいるということ自体驚きでしたが、その後スーダンには空手協会が多く存在していることがわかり、私も何度か訪問してきました。
当日、ダルフールの空港には、空手家の皆さんが大集合しており、演武で迎えてくれました。中にはヒジャーブ(スカーフ)を巻いた女性もいました。イスラム教では女性の活動に制約があると思う方もいるかもしれません。ところが、他のアラブ諸国に違わず、スーダンでもヒジャーブをした女性が元気にサッカーをしていたり、意外と活発な女性が多いので驚きます。
ダルフールには電気のないところも多く、当時の会場にも電灯はありませんでしたが、日本人から教えてもらう機会はないからと、暗くなっても時間を惜しんで日本語の発音に熱心に取り組んでいたのが、とても印象的でした。
スーダンで見つけたおいしいもの
スーダンの食べ物は肉や豆が多く、日本人から見るとどうもバラエティに欠ける感じがします。そんな中、自信を持ってお勧めしたいのが、スイカとグレープフルーツです。スーダンのスイカは細長い楕円形でずっしりと重く、とにかく甘いのです。グレープフルーツは、ピンクグレープフルーツと言われるもので、果肉がピンク色をしています。これまた重量感があり、一見大味に見えますが、ジューシーで甘いです。南スーダンではマンゴーも絶品です。どこにでもマンゴーの木があり、取りきれないほど実がなります。マンゴーの季節には、町中にマンゴーの甘い香りが漂います。将来、日本のスーパーにスーダンや南スーダン産のフルーツが並ぶ日が来たら、是非お求めください!!
次回はいよいよ最終回。南スーダンの人々を紹介します。