住空間デザイン学類4年 橘田スタジオ 岐阜デザインツアーを開催!

橘田スタジオでは、9月5日(月)〜6日(火)の2日間、空間デザインの見学・体験を目的に、岐阜県内のデザインツアーを行いました。

  • 高山駅で集合写真!
    高山駅で集合写真!

前期スタジオにて、学生全員で分担をして事前調査を行い、綿密なスケジュールを組んで臨み、多くの刺激・貴重な経験となりました。
以下、スタジオ学生からの一部となりますが、見学レポートを紹介します。

住空間デザイン学類 橘田 洋子

見学レポート

「みんなの森 ぎふメディアコスモス」 住空間デザイン学類 4年 佐々木 穂

1階が「絆の拠点」となる市民活動交流センター、多文化交流プラザおよび「文化の拠点」となる展示ギャラリー、2階が「知の拠点」の役割を担う市立中央図書館からなる複合文化施設です。設計は、伊東豊雄建築設計事務所で、2015年に開館しました。

  • みんなの森 ぎふメディアコスモス外観
    みんなの森 ぎふメディアコスモス外観

1階と2階共に大きな壁で仕切らず、全体が一つの空間になっています。本の貯蔵室や職員さんの働いている空間までも全てオープンになっており、開放的な空間が広がっていました。

  • 本の貯蔵室がガラス越しに見える
    本の貯蔵室がガラス越しに見える

その中でも特に印象的だったのは2階の図書館です。広い空間には、グローブと呼ばれる漏斗を逆さまにしたような形状の大きな傘が、いくつも目に飛び込んできます。上部からの自然光をおだやかに室内に拡散させていました。また、このグローブの模様を変えることで図書館各コーナーの目印としても活用されています。

そして光だけでなく、床面を輻射による冷暖房により、体感的に快適な空調管理がなされていました。どこにいても適度な明るさと室温となっている心地の良い空間は、世代を問わず、地域の方々が楽しめるようなすてきな空間でした。

  • 図書館の象徴:グローブ
    図書館の象徴:グローブ

「飛騨産業 高山ショールーム」 住空間デザイン学類 4年 酒井 瞳

自然が豊かで、木工の伝統と技術が息づく飛騨地方は、日本でも有数の家具の一大産地となり、今では世界中から評価されています。

飛騨高山の曲げ木から始まった日本を代表するキツツキマークがトレードマークの家具メーカー「飛騨産業」。1920年に設立してから100年の歴史を持ち、高い技術と豊富な森林資源によりこれまでに数々の人気商品を生み出してきました。この度本社・工場併設のショールームにお伺いしました。

  • 飛騨産業ショールーム外観
    飛騨産業ショールーム外観

さまざまな商品を見学する中で、印象的だったのは、豊富なバリエーションと仕組みを持つダイニングテーブルです。
たとえば「侭」は、サイズはもちろん、天板の形や面形状、脚部のデザインを選ぶことができるテーブルオーダーシステムがあります。お気に入りのチェアとの組み合わせや、部屋の大きさや雰囲気で選ぶだけでなく、動線や作業領域に合わせても、最適なテーブルを選べるのは大変勉強になりました。

またダイニングテーブルというと、一般的に角型を想像しますが、丸型・豆型テーブルと少し変わった形状のテーブルもあります。メリットは座る場所が固定されず、好きな場所に座ることができることでしょう。さらに、視線の交差感もないため、緊張をほぐし会話が弾みやすいとのこと。改めて、ダイニングテーブルの奥深さを飛騨産業のショールームで体験することができました。

  • ショールーム内コーナー
    ショールーム内コーナー

「柏木工 高山ショールーム」 住空間デザイン学類 4年 暮林 真衣

飛騨産業に続き、1943年創業の柏木工のショールームを見学しました。外観、店内、インテリア小物の販売エリア、カフェに至るまで、丁寧にこだわって作られているショールームであると感じました。

  • 柏木工ショールーム外観
    柏木工ショールーム外観
  • ショールーム内全景 写真;柏木工WEBサイトより
    ショールーム内全景 写真;柏木工WEBサイトより

自然との共存・伝統・作り手の誇りを大切にしながら、人の豊かさと精神の安らぎを与えるものづくりをテーマにしているという柏木工。例えば、イスやテーブルの曲線、それらが主役になるようなシーンの作り方などがとても勉強になりました。曲木を扱い、一つひとつの椅子の組み立ては手作業で行われているという説明書きと共に、ショールームで椅子を見たとき、一つとして同じものがないということも魅力的だと感じました。

店内の一角には、カフェスペースがあり、季節のタルトをこだわった空間・家具を実際に使いながら、食べることができました。トレー・ポットの蓋・砂時計置きも、1枚の木を加工したプロダクトで提供をしており、繊細な部分までこだわりつくしていました。

  • こだわったカフェのテーブル演出
    こだわったカフェのテーブル演出
  • カフェでひと休憩、元気いっぱい!
    カフェでひと休憩、元気いっぱい!

ショールームの裏手には、加工工場があり、木の素材が職人さんの手で、製品に出来上がっていくことをリアルにイメージすることもできました。大自然の中にあるショールームならではの魅せ方を見学することができ、とても良い体験になりました。

「飛騨の里」 住空間デザイン学類 4年 宮原 紗英

飛騨の里は、飛騨高山の昔の集落や合掌造りをはじめとした古民家を復元・体験できる施設です。その中で重要文化財に指定されている旧家のいくつかをご紹介します。

  • 飛騨の里 全景
    飛騨の里 全景

旧田中家は江戸時代中頃、高山に生きた国学者田中大秀が過ごしていた家。茅葺き切妻造の民家。農村では一般的な土間を生活の中心とした形式だそうです。

  • 国学者田中大秀が過ごしていた旧田中家
    国学者田中大秀が過ごしていた旧田中家

旧若山家は代表的な合掌造りで、1797年頃に建築されました。1重4階の切妻造茅葺き。屋根の勾配は約60度で、正三角形に近い形が特徴です。内部には、屋根の葺き替えに使用した道具がわかりやすく展示されていました。

  • 正三角形に近い屋根が特徴の合掌造り旧若山家
    正三角形に近い屋根が特徴の合掌造り旧若山家

旧吉真家は、江戸時代中期の建築で、2階建主屋茅葺き入母屋造の民家。柱や梁が太く、大地震に耐えた頑丈な造りが大変印象的でした。

  • 柱や梁が太く迫力のある旧吉真家
    柱や梁が太く迫力のある旧吉真家

旧田口家は、江戸時代中期の建築で、茅葺き(板葺き)切妻造の民家。寄り合いなどの会場として使われるほど部屋数が多く、囲炉裏も3つありました。飛騨地方の中でも比較的温暖な地域にあった建物のため、L字型の大きな縁側がありました。

  • 大きな縁側のある旧田口家
    大きな縁側のある旧田口家

各民家では、農産物を運ぶための手押し車や穀物を選別する唐箕(とうみ)が置いてあったり、農山村の生活に必要な道具が数多く展示されていました。農山村の暮らしや昔から飛騨に伝わる遊びなども忠実に再現されていました。飛騨の里に行ってみて、昔話に出てきそうな建物や飛騨の歴史、その時代に暮らしていた人たちの生活を感じられて、とても良い体験ができたなと思いました。

「岐阜グルメ 店舗レポート」 住空間デザイン学類 4年 中村 桃子

1日目の昼は、岐阜市内にあるチーズとお肉が楽しめる「Ku-date cheese&meat mania」。
カリフォルニアをテーマにした、開放感あふれるテーブル席・マイアミをテーマにしたマリーン&リゾートのカウンター席・メキシカンとブルックリンをテーマにした店内奥のテーブル席と、3つの空間それぞれ違った雰囲気でお食事を楽しむことができる空間デザインは、女子会や記念日などにもピッタリなお店だと思いました。
お店の名物は、牛カツランチ。5年かけて試行錯誤の末に完成した渾身の逸品だそうです。

1日目の夜は、宿泊したホテルくさかべアルメリアの食事処「居酒屋レンガ横丁」。
レンガ造りでジャズ調のBGMが流れる大人な空間。ネオン照明やアンティーク調の家具によるレトロな雰囲気が、今レトロブームのデザインの仕掛けだと感じました。
ここでは、飛騨牛となっとうを食べ育った岐阜県産の「なっとく豚」のしゃぶ御膳を堪能しました。

そのほか、2日目のホテルのバイキング朝食では、朴葉味噌や鶏ちゃん(ケイチャン)と言った郷土料理、2日目の昼には、高山ラーメンなど、岐阜ならではの食事を大いに楽しみました。

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