りんどう祭 住空間デザイン学科作品展 ~「和の室礼(室礼)」編~
2017/11/27
去る10月14日、15日に開催された「りんどう祭」は盛況に幕を閉じました。
住空間デザイン学科では、毎年、建築・インテリア分野の作品展示空間として、実験実習館インテリア実習室の空間演出を2年生必修の基礎ゼミで取り組んでいます。
前期には、一人一人が提案したアイディアからチームでの代表案を選出し、さらに学科全体での審査会を経て最終案が選定され、後期がスタートしてすぐに担当チームを中心に準備をすすめて参りました。
企画コンセプトから、後期に入っての作業、展示の様子を、チームのリーダーの長友さん、副リーダーの岡本さん、小林さんにレポートしていただきました。※
住空間デザイン学科 基礎ゼミ担当教員 神村・橘田・小久保・佐藤・三戸
「和の空間でのおもてなし」を作り上げた濃密な時間
- 住空間デザイン学科2年 長友樹莉嘉さん
今年の2年展示ブースのテーマは「和の室礼~しつらい~」。
室礼には、お客様をもてなすために調度を飾り室内を整えるという意味があります。この展示を見ていただく皆様が迎えられている気持ちになれるような空間をイメージしました。
内装のレイアウトは、中に入ると最初に紅葉の格子が見えます。この格子は中から見ると外からの自然光で綺麗な影が投影され、外から見ると温かい空間が演出されています。
入口から出口にかけて1年・2年・3年・4年と学年ごとの展示になっており、枯山水を表した緩やかなカーブに沿って作品模型が展示されています。
その中でも一番手の込んだ場所が4年間の集大成である卒業制作作品の間「竹の道」です。
実際に学校の敷地に生えている竹を切り出し、中にランプをいれることで幻想的な空間に演出しました。準備日の最後に部屋の電気をすべて消して、竹の照明だけを灯した「私たちの点灯式」は、疲れが飛ぶほど綺麗で感動したのを覚えています。私たちは準備期間の短い中、週に2回集まり、各自分担の進度の報告の他に、悩んでいる場面では1人1人が意見を出し合いブラッシュアップすることで、回を増すごとによい展示になっていき、短い時間でしたが密度の濃い時間を過ごせました。
雨天にも関わらず、りんどう祭両日で529名の方が見に来てくださりとても感謝しています。
ご来場いただいた皆様に、少しでも和の心遣いを感じ取っていただけたら幸いです。
竹の切り出しから点灯まで、たくさんの人の力で「竹の道」が完成
- 住空間デザイン学科2年 小林法子
りんどう祭の展示空間で私が担当したのは、竹照明です。
当初は竹を模した別の材料での制作も考えましたが、インテリアプロダクト担当の榎本先生にご相談し、本物の竹を学園の坂下にある竹林まで切り出しに行くことにしました。長さが10メートル近くある竹の切り出しや、竹をもって坂を登るのはとても重労働でした。が、何本か運んでいたところ、通りがかったトラックの運転手さんが運ぶのを手伝ってくれました。竹の切り分けも授業中や放課後に、先生の指導のもと班のみんなと協力して進めることができました。
設置し、光を点灯した時の感動は計り知れないものでした。それもすべて、作業は辛いながらも、たくさんの人の力を借り、誰一人投げ出すことなく完成させることが出来たからだと思います。
「より本物に近い装飾」へのこだわりとチーム作業での達成感
- 住空間デザイン学科2年 岡本紗季さん
今回の展示空間は「和」というコンセプトを元に、2年全体の力を合わせ、実際の展示空間を仕上げました。
私たちが特にこだわったのは「より本物に近い装飾であること」です。目標を決め、企画班みんなで意見を出し合いながら試行錯誤を繰り返し、作業を進めていきました。その結果、段ボールで作った障子や欄間、切り絵を施した格子窓、本物の竹を使った照明など、材料や作り方を工夫し、とてもリアルなものを作ることができました。
またこの体験から、多くの人をまとめることや自分の意見を他人に伝えることの難しさを学ぶことができました。難しい問題もありましたが、難しかったからこそ、やり遂げた時の達成感はとても大きかったです。多くの人の力を借りて、私たちは「和」という大きなくくりの中で模索し、自分たちがやりたかったことを実現することができました。
- ※ 本内容は、住空間デザイン学類の前身である住空間デザイン学科のカリキュラムについて紹介しています。
住空間デザイン学類での学びの参考にしてください。