漢字[国語科 櫻田]
2023/02/20
突然ですが、次の漢字の読み方は何だと思いますか?
- ① 蔘
- ② 㸪
- ③ 閄
これらの漢字は、読みがとても長いです。答えは次の通り。
- ① ちょうせんにんじん
- ② うしのあゆみがおそい
- ③ ものかげからきゅうにとびだしてひとをおどろかせるときにはっするこえ
②、③についてはもはや一文ですね。
今回の「こまつぶ」では、漢字やその学習について書いてみたいと思います。
「漢字」という言葉を見たり聞いたりするだけで、「うわ~」と嫌な気持ちになる人もいるかも知れません。私もかつては、毎日出される漢字の書き取りの宿題を面倒だと思っていました。漢字はとにかく手を動かさないと覚えられないから苦手……という声は、大人からもよく聞かれます。「先生、どうして漢字の勉強をしないといけないんですか?」というのは、小学生・中学生からよく受ける「テッパン」の質問です。
そんな嫌われがちな漢字学習ですが、漢字を学ぶメリットはたくさんあります。その中でも3つ、取り上げてみましょう。
1つ目は、漢字を使用することで言葉や文章のイメージが伝わりやすくなることです。例えば、同じ「かたい」でも、様々な種類の「かたい」がありますよね。フランスパンが「硬い」のと、仲間の結束が「固い」のは大きな違いです。ひらがなで表現するよりも漢字を使った方が、イメージをつかみやすいのではないでしょうか。
2つ目は、漢字の偏(へん)や旁(つくり)の意味を理解することによって、初めて見る漢字の読み方や意味がなんとなく想像できるようになることです。みなさんもご存じの「イワシ」は、弱い魚で、水から出すとすぐに死んでしまいます。漢字で書くと「鰯」(さかなへん+よわい※昔の表記)となります。この漢字は、まさにイワシそのものを表していると言えるでしょう。
3つ目は、漢字を身につけることによって表現力の幅が広がることです。漢字は1文字ずつに意味があります。この特性から、漢字を組み合わせることによって熟語としての意味を持ったり、逆に長い熟語を縮めても意味が通ったりします。まずは偏や旁の意味を知るところから始めて、次は漢字1文字の意味、その次は熟語の意味……と学習を進めていくと、知らず知らずのうちに語彙力が高まり、多様な表現を使いこなすことができるようになっていくのです。
これらのことから、私はやはり漢字を学ぶことはとても大切であると考えます。
余談ですが、私は今年度、念願の漢検準1級を取得しました。勉強はとても大変でしたが、やはり達成感があります。
漢検で準1級以上の級を取得した人には、「漢検生涯学習ネットワーク」というものに加入できる権利が与えられます。これについては、またの機会に。
国語科 櫻田